日本の食といえば寿司や天ぷらが有名だが、「B級グルメ」と呼ばれる安くておいしい食もたくさん存在する。その人気は時に王道の和食をしのぐほど。この記事では、そんな人気B級グルメをご紹介しよう。
食に対する飽くなき探究心を持つ日本人
日本人は食に対する思い入れが強いのだが、おいしいものなら何でも取り入れてしまう柔軟さも持つ。
世界では毎日同じようなものを食べている民族も多いなか、日本人の食生活はかなりバラエティー豊かだ。今日はイタリアン、明日は中華かハンバーガー、時にはエスニック料理、もちろん和食も…と料理のジャンルを問わず、幅広いメニューを日々楽しんでいる。
日本人は、他国の文化を自己流にアレンジする天才といわれるが、食生活においても例外ではない。その最たるものがB級グルメだ。
B級グルメは、欧米やアジアの伝統的な料理にアレンジを加えて、日本人の口に合うように改良したものが多い。いわゆる伝統的な和食とは異なるものの、新しい食文化としてすっかり庶民の暮らしに定着している。
主食級の定番B級グルメ
ラーメン
中華料理の一種が日本で独自の発展を遂げた麺料理。今や日本人の国民食と言っても過言ではない。醤油や塩、味噌といった多種多様のスープ、さまざまな具材(チャーシュー、味付け卵、刻みネギ、海苔など)を組み合わせることで、バリエーションは無限大。各店の自慢の一杯を食べ比べてみるのも楽しいだろう。
トンカツ
フランス料理のコートレットを真似て、日本人向けにアレンジした料理。厚くカットした豚肉に小麦粉と卵、パン粉の衣をつけて、油でからりとキツネ色になるまで揚げる。箸で食べやすいようにあらかじめカットされ、キャベツの千切りと一緒に提供されることが多い。甘味のあるソースによく合う。カレーの上にトンカツをのせたカツカレー、パンではさんだカツサンド、トンカツを卵でとじてご飯の上にのせたカツ丼なども広く親しまれている。
照り焼き
醤油を基本に、日本酒、砂糖、ミリンなどを加えた甘味のあるタレを、鶏肉や魚などの食材に塗り焼いた料理。名前の由来は、タレの糖分により食材の表面が艶を帯びて「照り」が出ることからきている。タレを塗りながら焼くことで、素材の旨味を閉じ込める効果もある。その甘辛い味付けは、海外での評判も良く、特にアメリカでは人気が高い。
お手軽だけど絶品ストリートフード
おにぎり
炊き立てのごはんの中に好きな具材を入れて、三角形や俵形などに握る料理。おにぎりの歴史は古く、紀元前1世紀ごろの遺跡からも発見されている。持ち運びに優れ、手づかみで食べられることから、手軽な軽食として広く親しまれてきた。日本人なら誰しも食べたことがあるソウルフードであり、ファストフードでもある。
たこ焼き
小麦粉を卵やだし汁で溶いた生地の中に、小さく切ったタコを入れて、専用の調理器具でボール型に成形して焼き上げたスナック。タコ以外にも、肉やチーズなど具材をアレンジしてもおいしい。お好みでソースをつけていただく。外は香ばしく焼かれ、中身はとろりとやわらかく、病みつきになる食感だ。
和菓子スイーツ
どら焼き
小さなパンケーキ2枚で小豆あん(小豆を煮て、砂糖を加えて練ったもの)を挟んだもの。庶民的な和菓子の代表格だ。ヨーロッパでも人気が高い日本のアニメ『ドラえもん』の大好物としても知られている。ふっくらとした食感とやさしい甘さが特徴。日本茶はもちろん、苦味のあるコーヒーともよく合う。